比叡山延暦寺の修行と信仰をたずねる

十二年籠山行 侍真僧の浄土院と千日回峰行者の谷・無動寺に

開催日:2024年9月29日(日)

<発売開始:2024年7月12日(金)午前10時>

延暦寺を開いた最澄(さいちょう)は、僧侶たちに比叡山に十二年間籠山(ろうざん)する修行を課しました。その厳しい修行僧の姿を今に伝えるのが、最澄の御廟(ごびょう)でそこに御坐(おわしま)す最澄に仕えながら十二年間の修行の日々を送る「侍真(じしん)」と、深夜に比叡山内の約30kmの行者道を祈りながら巡る千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)の「阿闍梨(あじゃり)」です。

今回、平安時代以来の比叡山延暦寺の歴史と信仰について、先にオンデマンド版の動画で講義を受けていただいた上で、延暦寺の修行の場を訪ね、十二年籠山行を実際に修められた僧侶の方々から直接お話を伺うこととなりました。

美しく掃き清められた最澄の御廟「浄土院」で、宮本祖豊(みやもとそほう)師にその壮絶な「侍真」の修行の実際についてお話しいただきます。また観光では出向くことのない回峰行者の拠点・無動寺谷(むどうじだに)を訪ね、大行満(だいぎょうまん)大阿闍梨の光永圓道(みつながえんどう)師から千日回峰行の修行の日々について直接お話をお伺いします。そして無動寺谷で庶民信仰の拠点となっている辯天堂(べんてんどう)で、護摩木を焚き上げる「護摩供(ごまく)」を今回特別に輪番様にお勤めいただき、堂内に臨座して密教修法(みっきょうしゅほう)の実際を体験いたします。延暦寺の修行と信仰の一端にふれる貴重な機会となりますことを願っています。

タイムスケジュール

9:50 東塔バス停集合(JR山科駅8:47発湖西線→比叡山坂本→ケーブル坂本
→ケーブル延暦寺9:41着+徒歩7分/京都駅8:30発京阪バス→東塔バス停9:46着)
10:05 東塔バス停発比叡山内シャトルバス横川行
10:10 西塔バス停着 にない堂を経由して浄土院へ徒歩移動
10:50 浄土院で宮本祖豊師より御法話(60分)
12:10 西塔バス停発比叡山内シャトルバス比叡山頂行
12:14 東塔バス停着 ケーブル延暦寺駅経由 無動寺谷へ徒歩移動/明王堂参拝
13:00辯天堂にて昼食・休憩(45分) ※昼食は割烹昇力製お弁当(精進料理)を予定
13:45 光永圓道師より御法話 御加持(60分)
14:45 休憩
15:00 辯天堂で護摩・祈祷(60分)
16:00 辯天堂輪番 小林隆真師より御法話(30分)
16:40 辯天堂にて解散  →無動寺谷からケーブル延暦寺駅へ徒歩移動(20〜40分)
17:00/17:30 ケーブル延暦寺駅より坂本ケーブルにて坂本駅へ(11分)

※ご法話の際は、録音・撮影行為を厳禁とします
※無動寺谷への移動は、山道の徒歩移動となることを予めご了承ください
※帰路は京阪バスの運行が無く、坂本経由になります

比叡山延暦寺境内

講師プロフィール

宮本 祖豊(みやもと・そほう)

1960年、北海道室蘭市生まれ。1984年、比叡山にて出家得度した後、叡山学院・仏教大学卒業を経て、1989年、比叡山十二年籠山行に入行。その後、1994年、比叡山円龍院住職、好相行を満行後、1997年、宗祖伝教大師 最澄の御廟所である浄土院で戦後六人目の侍真僧となる。2001年、十二年籠山行満行、引き続き籠山を行い、2009年、二十年に亘る籠山を終了して下山。居士林所長、比叡山 延暦寺 大霊園 園長を経て、2020年、比叡山観明院住職。2023年4月より叡山文庫 文庫長。主な著書として『覚悟の力』(致知出版)
※好相行:仏様の姿を直接感得する修行
※侍真僧:伝教大師 最澄に生きたようにお仕えする僧侶

光永 圓道(みつなが・えんどう)

1975年、東京都生まれ。1990年、比叡山において得度受戒。1997年、花園大学仏教学科卒業。2000年、比叡山一山・大乗院住職。2003 年比叡山延暦寺に千年以上昔から伝わる千日回峰行ならびに十二年籠山行入行。2009 年千日回峰行を満行し、戦後十二人目の大行満大阿閣梨となる。2015 年十二年籠山行を遂業。2008 年~ 2017 年の間、無動寺谷明王堂輪番を勤め、後進の回峰行者の指導にあたる。2017年より、比叡山覚性律庵住職。主な著書として『千日回峰行を生きる』(春秋社)、『比叡山大阿闍梨 心を掃除する』(小学館)

みどころ・学びポイント

比叡山の修行は、まことに命懸けの行です。今回、その侍真僧を経験された宮本祖豊師と千日回峰行を満行された光永圓道大阿闍梨に、それぞれの修行の現場である浄土院や無動寺谷で直接お目にかかり、ご法話をいただくという得難い機会を設けることができました。また、ちょうどこの時期、比叡山では、四種三昧(ししゅざんまい)行という九十日間不眠不休で行う別のご修行が行われています。行中(ぎょうちゅう)のお姿を拝することはできませんが、お籠りされているお堂(にない堂など)の近くで、その気配を感じることができるかもしれません。辯天堂の護摩焚は私たちだけのためにお勤めいただく祈祷です。修行と信仰の場が濃厚に息づいている比叡山をどうぞ五感で感じてください。

本講座参加にあたり、以下の動画授業を事前に受講することを前提とします。

動画授業1「平安時代の比叡山延暦寺と修行の始まり―最澄と円仁、相応を中心に」
比叡山寺(のちの延暦寺)を開創した当初から、最澄(さいちょう)は「山」で学ぶ僧侶に十二年籠山行を課しました。この最澄の考えがどのように形成されたのかを辿ります。そして最澄の弟子で、最澄に次いで唐に渡り、新たにその後の延暦寺で展開する修行や信仰を伝えた円仁(えんにん)、またさらにその弟子であり、千日回峰行を創始したとされる相応(そうおう)を中心に、修行の生まれた平安時代前期の延暦寺を概観します。 (担当教員:栗本德子)
動画授業2「比叡山の修行のすがた―千日回峰行と好相行、十二年籠山行」
比叡山にはとりわけ厳しいとされる二つの行(十二年籠山行)があります。大阿闍梨となっていく千日回峰行と、宗祖最澄に仕える侍真が修める好相行です。行の真のすがたは、まさに行を修めた方にしかわかりません。けれども、実際に行を修められた方々に皆さんが直接お目にかかった際の理解の一助となるように、これらの修行のあらましを私の知る範囲で解説します。(担当教員:佐藤理英)
動画授業3「無動寺谷の信仰について―行者の不動明王信仰と庶民の宇賀辯才天信仰」
延暦寺の中でも相応の開いた無動寺谷は、千日回峰行の拠点であり、修行と信仰の場です。ここには、回峰行者の守本尊でもある不動明王を祀る明王堂を中心に、庶民に開かれた宇賀辯才天(うがべんざいてん)を祀る辯天堂もあります。これら密教によって伝えられた不動明王や、日本で独特の形で習合した宇賀辯才天について、歴史的に辿りながら、各尊の働きと無動寺谷の信仰について考えます。 (担当教員:栗本德子)

※ 動画授業は、2024年8月9日(金)10:00に視聴URLを講座ご購入者宛にお送りいたします。視聴は2025年8月8日(金)まで可能です。
※ 動画授業のみの受講も可能です〔1授業 1,500円(税込)〕

動画授業 講師プロフィール

栗本 德子(くりもと・のりこ)

1956年 京都市伏見区生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。京都芸術大学大学院教授。専門は日本美術史、宗教文化史など。京都芸術大学では、毎年延暦寺をフィールドワークする授業を担当し、その歴史と思想を講じる。比叡山の厳しい修行にいつも心引き締まる思いを持つが、一方、商家である実家が代々、無動寺谷の辯天堂に信仰を寄せてきたご縁もあって、修行僧を支える庶民信仰についてもこの機会にぜひお伝えしたい。

佐藤 理英(さとう・りえ)

岐阜県高山市出身。大谷大学文学部史学科卒業。京都造形芸術大学(現:京都芸術大学)、立命館大学で大学事務として約20年勤務し、現在に至る。2005年冬の雪の日に思い立って比叡山に登り、最澄の言葉と出会う。これを契機に仏教の歴史や文化に関心を深めることとなる。京都造形芸術大学時代には寺社を訪ねる学外授業や一般講座の企画、運営を担当していたが、その後も引き続き比叡山延暦寺をはじめお寺の魅力を伝える活動をしている。

企画概要

開催日   2024年9月29日(日)
受 講 料28,000円(税込/御法話、御加持、護摩・祈祷、護符、お弁当、動画授業受講料などが含まれます)
※ 当日は比叡山内シャトルバス代およそ500円が別途かかります。

【動画授業のみを受講される場合】
1講座につき1,500円(税込)
参加申込https://ittekijuku10.peatix.comよりお申し込みください。

【動画授業のみを受講される場合】
<動画授業1>「平安時代の比叡山延暦寺と修行の始まり―最澄と円仁、相応を中心に」
https://ittekijuku10-1.peatix.com
<動画授業2>「比叡山の修行のすがた―千日回峰行と好相行、十二年籠山行」
https://ittekijuku10-2.peatix.com
<動画授業3>「無動寺谷の信仰について―行者の不動明王信仰と庶民の宇賀辯才天信仰」
https://ittekijuku10-3.peatix.com

※動画授業は、2024年8月9日(金)10:00に視聴URLを講座ご購入者宛にお送りいたします。視聴は2025年8月8日(金)まで可能です。
発売開始2024年7月12日午前10時
申込締切2024年9月20日(金)

【動画授業のみを受講される場合】
2025年7月8日(火)
定員 25名(対象は中学生以上/最少催行人数:13名)
※ お申し込みいただいた方にアクセス情報などの詳細をお送りいたします。
※ 感染症の流行や荒天などの理由により、催行中止になる場合があります。(その際はpeatixより全額返金させていただきます。また、最少催行人数に満たない場合は催行を中止いたします。その場合も同様に対応致します。)
お問合せ有限責任事業組合 一滴塾
Tel: 070-9058-6735〔13:00〜19:00(土日祝を除く)〕
E-mail: madoguchi@ittekijuku.jp/ホームページ:https://ittekijuku.jp